どうも、社畜です。
本日は、CoinDeskが2017年第2四半期のブロックチェーン界隈に関するレポートその2をお送りいたします。
※参照:https://media.coindesk.com/uploads/2017/09/state_of_blockchain_q2_2017.pdf
前回は、パブリックブロックチェーンとパブリックブロックチェーンの代表的な2つの仮想通貨である、ビットコインとイーサリアムのレポートの翻訳(と一部考察を)いたしました。
本稿では,その続編をお送りいたします。
エンタープライズブロックチェーン
2017年第二四半期エンタープライズ ブロックチェーンサマリー
・多様な試験,特許,統合の進捗
HP、トムソン・ロイター、モスクワ証券取引所などの大手企業がCordaやhyperledger fabric 、sawtooth lake、許可制イーサリアムのテストなどをを開始し、導入している。
※Cordaに関して
参照:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/14/481709/102500267/
Cordaの分散型台帳には、Bitcoinで使われている台帳とは異なる点がいくつかある。例えば、Cordaの場合は、取引の詳細を確認できるのが、それを知る必要がある当事者に限られているのに対し、Bitcoinの場合は、送金元と送金先(Bitcoinアドレス)、送金日時、送金額がすべて公になっている。また、Cordaの場合は、合意を形成して承認する行為が取引の当事者に任されているのに対し、Bitcoinの場合は、その役割がネットワーク全体に分散されている。さらに、Cordaの場合、Bitcoinとは違って、内部的な独自の暗号通貨ではなく現実世界の通貨で取引を記録するという違いもある。
大手企業はこぞってブロックチェーンに関する実験を実施している状況です。この技術を企業内に取り込むことで、コストの削減や圧倒的効率化が可能とあれば、当然ですね。そういった意味でも、エンタープライズ(プライベート)ブロックチェーンの関心度は日に日に高まっていくでしょう。
・FXと株式決済によって、取引高を成長させた
コバルトのDLTベースの外国為替取引後処理ネットワークは、Citadel(米国市場における有力マーケット・メイカーの1つ)などの21社と一部の参加者から関心を集めている。
・Hyperledger Fabric and R# Corda オープンβテストを開始
エンタープライズブロックチェーンの実験も順調に進んでいる模様です。
・リップルが銀行のグローバルネットワークを進化させた。
ネットワークに10社の金融会社を追加し、ビットコインとチェーン用のオープンソースのledgerプラグインを公開し、公的および私的ブロックチェーン、中央帳簿および伝統的なチャネルを含む7つの元帳に1つの取引を送付するデモを実施。
・Hyperledger&EEA メンバーシップが強固に
コンソーシアムメンバーの数は、大企業の関与により上昇を続けており、多くの企業が両方のグループに加わることを選択している。
・R3が四半世紀最大のVCを立ち上げる
エンタープライズブロックチェーンは日々進化しており、パブリックブロックチェーンと比較すると非中央集権では無いものの、トランザクションの速度が速かったり、限定された空間で使用する場合、多くのメリットをもたらします。上記の図からすでに多くの企業が研究に躍起になっていることが伝わると思います。
Hyperledger Update
オープンソースのブロックチェーン技術推進コミュニティであるHyperledgerのアップデート状況です。企業がプライベートブロックチェーンに関する研究を積極的に実施している事がわかります。
Hyperledger Projectの説明はこちら。
https://www.ossnews.jp/oss_info/Hyperledger_Project
エンタープライズイーサリアムアライアンス
新たな業種からの開発表明
7種の多様な産業にまたがる新たに形成されたワーキンググループが誕生しました。
トークン、銀行、ヘルスケア、保険、広告、法律、サプライチェーン(製造)
世界で最もメンバーの多い、オープンソースのブロックチェーン
合計150もの組織が、ローンチしてから6ヶ月後にイーサリアム協定に参入している。
イーサリアムのブロックチェーンは、世界でもっとも研究・開発が活発に行われているようです。これがETHがその価値を上昇させた要因といっても過言は無いでしょう。イーサリアムが時価総額第二位になっているのは、そのプラットフォーム上に様々なシステムを追加し、独自に使用できるところにあります。
Hyperledger and Enterprise Ethereum Alliance Memberships
Hyperledgerのプレミアメンバー企業である19社の内6社はイーサリアムアライアンスにも参加しているようです。日本でも有名な企業が名を連ねています。
投資
2017年第二四半期投資サマリー
・トークンセールの爆発
現在世界中にトークン発行者が存在し、販売・配布をする中で、爆発的な取引が開かれている。
・ICOの取引規模が、最高記録を更新し続けた
多くのICOがベンチャーキャピタルの最大規模を上回り、いくつかは2億ドル以上を調達している。
・ICOは資金調達方法として、ベンチャーキャピタルを追い抜く
ICOの需要は、ブロックチェーンのベンチャー取引の3倍以上となっています。
・ICOは多くの収益を上げ続けた
短期的に見ると、トークンセール(ICO)のリターンはビットコインやイーサリアムをホールドしているよりも多くの収益を挙げた。
・依然として規制に関する明確な発表はされず
主要な政府機関はトークンとクラウドセールに関して、明確な規制内容は打ち出していない現状。
ブロックチェーンでの資金調達は第二四半期に劇的に上昇。ICOでの資金調達額はVCの3倍に。
企業が独自に資金調達を行えるような状態です。既存のVCは仮想通貨と共存する形の資金調達手法が必要になってくる可能性があります。
ブロックチェーンICOは、規模と量の両方でVC資金調達を劇的に上回った
今年に入ってからのVCとICOの資金調達回数と調達額です。共にICOが圧倒しています。多くの銘柄が100万ドル以上調達している状況。VCでの資金調達の価値が薄れて来ています。
只、この中ですでに運用レベルに達しているICOの名柄はまだほとんど無いと行っても過言では無いでしょう。ICOを実施すれば、必ず資金調達できるような状態でした。
機関投資家の資本が、トークンへの投資に流れ続けている。
従来法律・監査・銀行等を取り扱っているようなヘッジファンがは、急速に成長している暗号通貨に注目している。彼らはパイオニアであり、コインの価格の上昇要因となっています。
ブロックチェーンに関する市場調査対象者
ブロックチェーンに関する調査(業界の有識者対象)
57%が現在のビットコインの状態(1Qから7%アップ)をポジティブに捉えている。
58%が現在の仮想通貨を始めとしたデジタルアセットの現状をバブルだと感じている。
80%がビットコインライトニングネットワークが2018年の終わりには完成すると思っており、76%はイーサリアムのライデンネットワークも同様だと考えている。
65%はQ1から29%下がったイーサリアムの現状に対してポジティブな感情を抱いている。
72%はビットコインのマイニングは近年中央集権的すぎると感じており、半数以上が今後悪くなる一方だと感じている
95%はFiatにて資金調達をするICO発行者を信じていない。
仮想通貨のETFはいつ開始されるか
77%は2018年の終わりまでに仮想通貨のETFの取扱が始まると考えている。
コミュニティ
非中央集権 取引所への関心が26.7%と最も高い結果となっています。アンケートを取っている層がトレードをみなしていることもありますが、取引所への手数料に関して感じることがあるということでしょう。続いて匿名系のブロックチェーンが2位の20.21%、資産管理ツール、認証関連、コンピュータ、未来予測、ストレージと続いています。
61%はICOに不参加。しかし彼らの半数は参加を試みたことがあるか、参加を希望している。
ICOへの参加理由の大半は投資目的
60%が長期投資目的、21.57%がその通貨への興味、18.38%が短期トレード目的でした。上記を冷静に見ると、暴落が起こるのは当然の結果ですね。
ICOに参加した銘柄は60%がホールドされ、現金化したのはわずか5%
上記から、仮想通貨市場(および該当の通貨)にまだまだ投資先としての価値を見出している方が大半ですね。かりにICOトークンを売っていたとしても、その他アルトコインに買える人が大半の模様。
ICOに参加しなかった大きな理由は情報不足
日本でCOMSAが話題になった一番の理由は、日本語でのICOに関する文献があったため。それを再確認させられる内容です。また、法的なルールの欠如が2位、魅力的な投資先と感じなかったことが3位となっています。
ICOにの分析の際に一番重要な点は?
1位は使用方法。続いてトークンのバリエーションと構造。そしてチーム(メンバー)、トークンの使用 、価格が上がる材料があるかどうかといった順番です。キャッチーなタイプの通貨が人気を博しているようです。
フレームワーク
インターネットと、イントラネット比較。
感覚的には、プライベートブロックチェーンと、エンタープライズブロックチェーンをインターネットとイントラネットのようなものだと解説しています。
以上でございます。一部専門的な部分は割愛させて頂きましたが、2017年の第二四半期の概要は上記にてつかめると思います。何卒よろしくお願いいたします。